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胃カメラ(胃内視鏡検査)を受けられたことがない方にはどんな検査なのか不安に思われる方がいらっしゃると思います。また、胃カメラを受けられたことがある方も胃カメラの体勢や問診票の内容についてどんな意味があるんだろう?と疑問を持たれたことがあるかもしれません。 Show 今回の院長コラムでは胃カメラでどんなことをするのか、またその意味や楽な受け方のコツなど、胃カメラにまつわる内容について詳細にご説明させていただきます。 胃カメラの意味とは?胃カメラを受ける意味とは何でしょうか? みぞおちの痛みがある、胃酸が上がってくる、真っ黒い便が出る(真っ黒い便が出る場合、上部消化管(食道・胃・十二指腸)からの出血の可能性があります)、血液検査で貧血を指摘された、胃透視検査(バリウム検査)で異常を指摘されたなどの症状や、検査での異常がある場合はその原因を調べるためですので、検査を受ける意味は理解しやすいかと思います。 ②定期検査(もしくは人間ドックや検診)で受ける場合この場合は症状がないので検査を受けるのをためらわれる方もいらっしゃるかと思います。 では、いったいどのような方がどのがんのリスクが高いのでしょうか?
→上記のような方は食道がんのリスクがあるので年に1度は胃カメラを受けられることが勧められます。
→上記のような方は胃がんのリスクがあるので年に1度は胃カメラを受けられることが勧められます。 ③ポリープなどがあり、経過観察の目的で検査を受ける場合元々ポリープなどの異常を指摘されており、すぐに治療をする必要はないものですが、大きさや性状の変化がないかを経過観察が必要な場合です。こちらも基本的には症状がないので検査を受けるのをためらわれる方もいらっしゃるかと思います。 食道や胃、十二指腸の粘膜下腫瘍(消化管の壁の中にできる腫瘍です)やポリープといったものが当てはまるかと思います。これらは大きさや性状などによって経過観察だけでいいのか、さらに詳しい検査や治療が必要になるのを判断することになります。 胃カメラの主な意味はまとめると ①症状がある方ではその原因を調べて適切な治療を行えるようにする の3つになります。 胃カメラでできることこのコラムでは分かりやすいように「胃カメラ」といっていますが、正式には「上部消化管内視鏡検査」といいます。 上部消化管とは口から十二指腸までのことで、胃カメラでは胃だけでなく、のど(咽頭・喉頭)から、食道・胃・十二指腸までを観察することができます。 粘膜の色の変化や凹凸など性状を直接観察できるので、多くの情報を得ることができ、がんの早期発見にとても有効です。 また、異常所見があった場合、生検(組織の一部を取ってくる検査)を行うことで確定診断をつけることができます。 胃カメラってどんなもの?下記の写真が2020年11月に完成した当院の新しい内視鏡室です。 写真の右側に胃カメラがセッティングされています。 当院ではオリンパス社のGIF-1200Nという経鼻用のカメラとGIF-H290という経口用のカメラとで検査を行っています。 一番右側がGIF-1200Nという経鼻用のカメラで、真ん中がGIF-H290という経口用のカメラ、一番左側がPCF-H290ZIという大腸用のカメラです。 GIF-1200Nでは先端の太さの直径が5.4mmで、一番太い部分の直径で6.75mmです。 GIF-H290の先端の太さの直径が8.9mmで、一番太い部分の直径で10.7mmです。 PCF-H290ZIの先端の太さの直径が11.7mmで、一番太い部分の直径で13.8mmです。 直径が10mm程度の食べ物を探してみましたが、うまく見つかりませんでした。 胃カメラではどんなことをしているの?また、胃カメラの時に色々と言われるけどどんな意味があるの?①検査前1. 胃カメラを始める前に、まずプロナーゼとジメチコン(ガスコン®)という薬を飲んでいただきます。 Q:プロナーゼの意味は? Qジメチコンの意味は? 2. 次にリドカインという薬のスプレー(キシロカインスプレー®)をのどに吹きかけて、少し置いてから飲んでもらいます。 Q:リドカインの意味は? 3. 検査台に横になってもらいます。 左側の横向きになっていただき、左脚はまっすぐ伸ばして右脚は左脚の前に出します。 Q:この体勢の意味は? 4. 鎮痙薬(消化管の蠕動を抑える薬です)を使う場合には、鎮痙薬の投与を行います。 当院では胃カメラの際にはあまり使用していませんが、胃や十二指腸のぜん動が強くて観察がしにくい場合は消化管のぜん動を一時的に抑える薬を使用することがあります。 5. 麻酔薬を使う場合には、麻酔薬の投与を行います。 Q:これは全身麻酔での検査? 6. ついに胃カメラの挿入です。 7. まず、咽頭・喉頭(のど)を観察します。ただ、ここは一番患者さんがつらい部分になります。ここをどれぐらい入念に観察するかは、咽頭・喉頭がんのリスクがどれぐらい高いかと、咽頭反射がどれぐらい強いかによると思います。 Q:「あごを前に突き出すようにしてください」って言われる意味は? カメラの先端が食道内まで進んだ後は、げっぷが出にくくするために逆にあごを引いていただきます。 Q:「いーっと声を出してください」と言われる意味は? A:カメラが口の中にある時に「いーっ(えーっ)と声を出してください」って言われたことはありませんか?これは声を出すと披裂部という部分が持ち上がって梨状陥凹という部分の観察がしやすくなるためです。 下の1つ目(左側)の画像では赤丸の部分が重なっており観察しにくいですが、2つ目(右側)の画像では赤丸の部分が広がり、見やすくなっています。 8. 次は食道を観察します。 食道(咽頭・喉頭もですが)のがんはNBIというモードで観察した方ががんを見つけやすいので、まず挿入時にNBIというモードで観察し、最後に引き抜く時に通常のモードで観察することが多いです。 Q:NBIとは? Q:「できるだけ息を吸って止めてください」と言われる意味は? 9. 次は胃に入りますが、胃内はほとんど見ずに、まず十二指腸を観察します。 Q:十二指腸を先に観察する意味は? 細かい話にはなりますが、胃の中の空気が少なめの方が観察しやすい部分もあるので、私はそこだけ観察しながら十二指腸へとカメラを進めていくようにしています。 Q:「みぞおちのあたりが押されるような感じがします」って言われるけどどんなことをしているの? Q:その後にも「お腹がつっぱるような感じがします」って言われたりするけどどんなことをしているの? 10. 十二指腸の観察が終われば、次はいよいよ胃の中を見ます。 胃の中の観察の順番は医師によって異なりますが、どのような順番であれ胃の中をくまなく見ることが重要です。当たり前のことではありますが。。。 Q:どうしてげっぷを我慢しないといけないの? 11. 胃の中を見終われば、胃の中の空気を吸ってから、食道を観察しながらカメラを引き抜きます。 Q:どうしてもう一度食道を見るの? 実際の胃カメラの画像ここでは上部消化管(咽頭・喉頭、食道、胃、十二指腸)の模式図をお示しして、どんな風に胃カメラで見ていくのか各々の部位での画像とともに解説していきます。 ①まず咽頭・喉頭を観察して画像を撮影します。 ②食道を観察しながら進めていきます。この画像は食道胃接合部といって食道と胃のつなぎ目の部分です。ここの観察時に大きく息をすって呼吸を止めて頂くことがあります。 ③十二指腸球部という場所です。十二指腸潰瘍はここにできることが多いです。ここから十二指腸下行脚へと進める際にはお腹が突っ張るような感じがすることがあります。 ④十二指腸下行脚という場所です。画面左に見えるポリープのようなものは十二指腸主乳頭といって、ここを通って胆汁や膵液が出てきます。 ⑤胃の前庭部という場所です。真ん中の穴の部分が幽門輪といって、胃と十二指腸のつなぎ目の部分です。カメラの先端がこの幽門輪を超えて十二指腸に入る際にお腹が押されるような感じがします。 ⑥胃角部小弯という場所です。胃の真ん中あたりになります。カメラの先端を反転させて見ています。 ⑦胃体中部小弯という場所です。これもカメラの先端を反転してみています。画面の真ん中の上半分見える黒い棒みたいなものは反転して見ているカメラの一部になります。 ⑧穹窿部という場所です。胃の一番上側(頭側)になります。 ⑨胃体中部大弯という場所です。ここにはヒダがあるので、しっかり空気を入れて胃を膨らませないと病変を見逃すおそれがあります。 胃カメラの楽な受け方のコツ胃カメラをできるだけに楽に、また安全かつ速やかに終えるためのコツをご説明します。 胃カメラを受けるとなると緊張されるとは思いますが、できるだけリラックスして体の力を抜くようにお願いします。のどの緊張が強いと、のどから食道に入りにくく、検査後にのどの痛みが出ることがあります。 つぎに体勢などでお願いしたいことを記載していきます。
これらの内容はすべて検査時にこちらからお声かけさせていただきますのでご安心ください。 胃カメラを楽に受けるコツを記載させていただきましたが、一番楽に受けられる方法は検査時に麻酔薬を使うことだと思います。適切に麻酔薬を投与することで、ほとんどの方が極めて楽に検査を受けていただくことが可能です。当院では希望される方には麻酔薬を用いて検査を行っていますが、検査を受けたことを覚えてらっしゃらない方が多いです。検査結果の説明をするために診察室に入っていただいた際に「これから胃カメラですか?」とおっしゃられることがよくあります。 ただ、麻酔薬を使用するとその日は車などの乗り物の運転や、高所での作業などはできませんのでご了承ください。 問診票の質問内容の意味について胃カメラの問診票でよくある問診内容で意味の分かりにくいものについて解説します。 Q:「緑内障、前立腺肥大、不整脈、心臓の病気、糖尿病、褐色細胞腫はないですか?」という質問はどんな意味がありますか? 上記の病気がおありでも、病気の程度や種類によっては使用できる場合もありますが、確認が必要になりますので問診票でお尋ねさせていただいています。 Q:「エイズ(HIV)の治療の薬、麻薬系の強力な痛み止め、てんかんの治療の薬を使用していませんか?」という質問はどんな意味がありますか? 検査後の注意内容の意味について検査後の注意事項を記載させていただきます。 ◎検査終了後1時間たってから、水を少し飲んでむせがないことを確かめて食事をとるようにしてください。 Q:なんで一時間待たないといけないの? ◎麻酔薬を使用した場合にはその日は車などの乗り物の運転や、高所での作業などはなさらないようにしてください。 Q:麻酔がさめた後にも運転はできないの? ◎生検(組織の一部をつまみとって病理検査に出すこと)を行った場合は、まれに出血をすることがありますので、ふらつきなどの貧血の症状や真っ黒い便が出る場合にはご連絡ください。 Q:どんな場合に連絡したらいいの? 出血が持続する場合の症状としては
というものがあります。生検時の少量の出血だけでは上記のような症状は出ないので、これらの症状がある場合はすぐにご連絡ください。 今回のコラムを読んでいただくことで胃カメラへのご理解が深まったでしょうか? 姫路市で内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)をご希望の方は書写西村内科にお気軽にご相談ください。当院での内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)はネット予約・電話予約も可能です。下記のリンクもしくはホームページの予約ボタンからご予約いただくか、下記番号にお気軽にお問い合わせください。 ネット予約 ? TEL:079-294-8484 書写西村内科での胃・大腸内視鏡(胃・大腸カメラ)の詳細は下記ページをご覧ください。 胃・大腸内視鏡(胃・大腸カメラ)へ また、下記のページでは食道・胃・十二指腸・大腸の正常像から様々な疾患まで多数の内視鏡画像を掲載しています。ご興味のある方はどうぞご覧ください。 内視鏡画像 関連コラム
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